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魔女のパンケーキ小話 :: 2011/10/01(Sat)

キノコを探して
ホウキに乗って連れてこられたのは廃墟。
ここには珍しいキノコが生えているというので、ひとめ見に来たのだ。
地上に降り立つと、ひんやりとした空気が足元から流れてくる。

「薄暗いね。ルナさん気を付けて」
「うん・・・」

一緒についてきていたジャックさんが笑いながら灯りになってくれた。
ジャックさんの体はほんとうに便利でいいなぁ。

「アレフ、あそこ・・・」
ルナさんが指を指した方向には例のキノコと思わしきものがあった。
暗がりの中で確かに光っている。

「うわぁ綺麗だなぁ。あんな紫色に光るキノコを初めて見たよ!」
「うれしい?」
「うん。ありがとうルナさん!」
「そう・・・」
そう言うとルナさんも少しだけ嬉しそうに笑う。

初めて会ったときは全然笑わない魔女だったけれど
最近は表情が柔らかくなった気がする。
前より仲良くなってきたから・・・だよね?多分。

「ルナさんそんな格好で寒くない?」
「寒くない・・・く、くちゅんっ」

・・・・・・。
い、今くしゃみしたよね?
「もしかしてずっと寒いの我慢してたの?ごめんすぐ帰ろう」
そう言ってルナさんの手を取ると、指先まで冷たくて少し震えていた。

ルナさんは俯いて大きな帽子に隠れていて表情が見えない。
僕に申し訳ないとでも思っているのだろうか。
そうじゃない、そうじゃないよ。

「ごめんね僕が早く気づいていれば、こんなに冷たくはならなかったのに」

ルナさんの小さな手を僕の両手の中に入れて軽く握る。
僕の体温が早くルナさんの手に移ればいい。

もしかして今までも僕を楽しませようと無理していたんじゃ・・・?
馬鹿な僕が気付かなかっただけで。

「僕は・・・僕が楽しむ為にルナさんが我慢することになったら嫌だ」
大きな帽子がかすかに揺れる。
「だから言って欲しい。言葉で伝えてほしい」
僕は人間だし馬鹿だから。
「苦しい時は教えて欲しいんだ」

帽子の内側から大きな瞳がじっと見つめてくる。
そして小さく頷いた。
「うん・・・わかった・・・」

「ケケケケ」
ジャックさんの笑い声にビックリして手を離してしまった。
「もう大丈夫・・・アレフ帰ろう」
「う、うんそうだね」
なんだか照れくさくなってきた。

少しずつ変わっていけたら嬉しい。
ルナさんも、もちろん僕も。
  1. 小話
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